名もなき犠牲者。

カブ子が生まれた　3日後。
あの　未曾有の被害をもたらした
東日本大震災が起こった。


平成23年3月11日
カブ子生後3日目の　14時46分。

ボクは仕事中　カブ子は病院で授乳の練習中。
名古屋でも　揺れが感じられ　のちのニュース映像で
津波による　壊滅的な被害を受けた町を見て
・・・我が目を疑った。


日を追うにつれ　増えていくのは
犠牲者と行方不明者の数と
その　被害の大きさ。


それからしばらくして　ふと耳にしたのが
カブ子と同じ日　もしくはその前後に生まれた
被災地の　赤ちゃんの話。

生まれてまもない　入院中に
津波の被害にあい　命を落とした　新生児たち。
決して多くはないけど　少なからず
津波の犠牲になった　小さな命があること。

ほんとうかどうか　定かではないけど
生まれてまもなく　出生届が出されないまま
この世を去っていった　小さな命は
名前も　戸籍もないため
今回の震災で　被害にあった死者数に
カウントされてないと　聞いた。

パパやママ　家族が待ち望み　生まれた命が
その存在を公に認められないまま
その存在を公に残すことの無いまま
この世を去ってしまう。

同じ日に　同じ国で生まれた命が
こうも　違う運命にさらされるのかと思うと
涙が出てきた。涙が止まらなかった。

幸いにも　この土地の　この家庭に生まれた　カブ子。

犠牲になった　小さな命たちの分まで生きて
生きていること　生かされていることの
有難さ　大切さ　そして
人を思いやる気持ちを　持てる
そんな子に　なってくれれば・・・
そんな子に　なってくれるよう
育てていこうと　誓った　3月のとある日。。。

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